介護予防サービスの二大資格【介護予防指導士・運動指導員】を紹介!

厚生労働省は、介護予防を「高齢者が要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止を目的として行うもの」と定義しています。

身近な人が要介護状態になってしまうのは、できるだけ防ぎたいものですよね。

また、介護施設で働く介護職員の方々にとっても、利用者の健康サポートのためにも、適切な運動指導や予防の知識を身につけておくことは重要でしょう。

この記事では、そんな介護予防に関する代表的な資格を紹介します。

家族の介護をしている方、介護予防について勉強したい介護職員の方は要チェックです!

◆参考:厚生労働省「これからの介護予防」

介護予防とは?

介護予防とは

厚生労働省の資料によると、介護予防の目的はリハビリテーションの考え方を理解したうえで、「心身機能」「活動」「参加」という3つの柱をもとに、高齢者のQOL(生活の質)の向上をはかることにあります。

これまでの介護予防は高齢者の機能回復に焦点をあてたものが多く、高齢者の日常生活上での活動と社会参加はそれほど注目されていませんでしたが、活動と参加も重要視されるようになりました。

運動機能の改善や栄養状態の管理といった心身機能への働きかけと同様、日常生活の活動や家庭・社会参加への促しも介護予防に必要な取り組みとみなされています。

◆参考:厚生労働省「これからの介護予防」

厚生労働省「第1章 介護予防について」

介護予防事業は二種類に分けられる

平成27年度の介護保険制度の改正により、介護予防事業は「介護予防・日常生活支援総合事業」が新設されました。
通称、「総合事業」と呼ばれます。

総合事業は、「一般介護予防事業」「介護予防・生活支援サービス事業」の二種類に分けられます。
どちらの事業も運営の主体は市町村です。

「介護予防・生活支援サービス事業」は要支援認定の前段階にいる人も利用対象に

介護予防・日常生活支援サービス事業は、運営の主体となっている市町村が地域の実情に沿ったサービスを提供できる点が特徴です。

一般介護予防事業の利用対象者と比べると、利用対象者には制限があります

介護予防・生活支援サービス事業の利用対象者は要支援認定を受けた方と、支援が必要な方のために設けられた「基本チェックリスト」のチェックリスト該当者です。

また、要支援認定の前段階にいる高齢者も利用の対象に含まれます。

要支援認定の前段階の状態でサービスを提供すれば、要支援・要介護状態の予防になるというねらいがあるためです。

「一般介護予防事業」はすべての高齢者が利用の対象

一般介護予防事業は要支援者、要介護者だけでなく、65歳以上の全高齢者が利用できる事業を指します。

高齢者の「通いの場」を設けたり、地域で取り組むリハビリテーションの強化運動などが可能となります。

介護予防・生活支援サービス事業とは異なり、すべての高齢者が利用の対象となっているため、利用者の母数はかなり多いです。

また、前述したように、これからの介護予防は運動機能の改善や強化だけではなく、地域が主体となって高齢者が社会参加できる機会を提供したり、生きがいとなる活動を作ったりすることも重視されます。

そのため、介護職に就いている人以外でも、介護予防を指導できる技術があったり、介護予防に関する知識をもっていたりする人材が求められます。

一般介護予防事業では、介護職員以外の方も介護予防に携われるようになったことで、専門職(リハビリ職など)によるサービスだけでなく、地域住民などの多様な担い手によるサービスも広く展開されることが期待されています。

そこで、介護に関する仕事をしていない方でも、一般介護予防事業の分野で事業を設立したり、地域の介護予防運動に貢献できることを踏まえると、やはり正しい介護予防の知識を勉強しておくことをオススメします。

介護職に就いている方は、介護予防に関する勉強をすることで、スキルアップをはかれる可能性があるでしょう。

ここからは、介護予防の知識を身につけ、一般介護予防事業で活躍が期待できる介護予防に関する資格をふたつ紹介します。

◆参考:厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方」

日本介護予防協会「介護予防指導士」

介護予防指導士

介護予防に関する資格として、まず挙げられるのが「介護予防指導士」です。
特定非営利活動法人「日本介護予防協会」が認定しています。

介護予防に関する専門知識、技能をもつことを証明する資格です。
指導の対象は要介護者だけではなく、一般的な高齢者も含まれます。

介護職員の方以外にもオススメの資格です。
取得後は、一般介護予防事業のフィールドで資格を活かして活動することも可能でしょう。

介護予防指導士を取得するには?

介護予防指導士は、協会が実施する講習をすべて受講し、修了の認定を受けると取得できます。

介護予防指導士 概要
□ 受講資格:とくになし
□ 受講費用:49,500円(税込)
□ 受講期間:3日間(カリキュラムは講習会ごとに異なります)

講習は10科目で構成されており、講習時間は21.5時間です。

学んだ知識と技術をすぐに実践に活かせるところが講習のポイント。
低予算で実施できるプログラムの組み方や、マシンを使わずに行える運動指導などのノウハウも吸収できます。

介護予防指導士 教科
□ 介護予防概論:講義(2.5時間)
□ 栄養ケア:講義(1.5時間)
□ 口腔ケア:講義(2時間)
□ 筋力訓練指導:講義/実技(2.5時間)
□ ストレッチング:講義/実技(2時間)
□ 転倒予防:講義/実技(2時間)
□ 測定と評価:講義/実技(2.5時間)
□ リハビリテーション:講義/実技(3時間)
□ 救急蘇生:講義/実技(2時間)
□ 認知症ケア:講義(1.5時間)

受講できなかった科目に関しては、別の会場で振替受講することが可能です。手数料として別途1,000円がかかります。

また、もう一度受講したい科目があった場合は、修了生に限って再履修することもできます。
費用は一時間につき2,000円です。

たとえば、「認知症ケア」を再履修したい方は1.5時間ですので3,000円の費用が発生します。

介護予防指導士取得のメリット

介護予防指導士の資格を取得すると、「筋力訓練指導」「ストレッチング」「転倒予防」「栄養ケア」「口腔ケア」といった指導が行えるようになります。

介護施設の経営者やデイサービスで働く方など、すでになんらかの介護職に就いている方は、資格取得によって業務に役立てることもできるでしょう。

介護職以外の人も、資格取得によって学んだ知識を活かし、講演の仕事をしたり、介護予防教室の開校に役立てたりと、仕事の幅を広げることも可能です。

介護予防に関する知識をいちから習得することで、要介護者にも、その家族にも喜んでもらえるサービスを提供できるようになるかもしれません。

東京都健康長寿医療センター研究所「介護予防運動指導員」

介護予防運動指導員

もうひとつのオススメ資格は、「介護予防運動指導員」です。
地方独立行政法人「東京都健康長寿医療センター研究所」が認定しています。

前述した介護予防指導士との大きな違いは、受講できる人が限られている点です。

受講の対象者は以下の資格保有者、もしくは研究所が定めた条件を満たす方となっています。

医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師、准看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業 療法士、言語聴覚士、社会福祉士、介護福祉士、歯科衛生士、あんまマッサージ指圧師、 はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、介護支援専門員、健康運動指導士等、介護職員 基礎研修課程修了者、訪問介護員2級以上で実務経験2年以上(主任運動指導員は実務経 験3年以上)、訪問介護員実務者研修修了者、訪問介護員初任者研修修了者で実務経験2 年以上(主任運動指導員は実務経験3年以上)の方が対象となります。

◆引用元:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター「よくあるご質問(Q&A)」

どちらかといえば、既に介護職に就いている方向けの資格といえるでしょう。

介護予防運動指導員を取得するには?

講習会を受講後、修了試験に合格すると介護予防運動指導員の資格を取得できます。
講習会は指定事業者が開催しており、全部で16講座(総授業時間31.5時間)あります。

受講費用、修了試験の受験費用は指定事業者によって異なりますが、東京都健康長寿医療センターによれば、テキスト代や修了証の発行代を含めて60,000円~80,000円前後とのことです。

申し込み方法や受講会場も指定事業者ごとに違うため、まずは指定事業者を確認してみましょう。

指定事業者の一覧は以下のページからチェックできます(2018年7月現在申請受付中です)。

東京都健康長寿医療センター研究所「指定事業者一覧」

講習で学べる内容は、以下のとおりです。

介護予防運動指導員 教科
□ 介護予防概論:講義(0.75時間)
□ 介護予防評価学:講義(1.5時間)/実習(1.5時間)
□ 介護予防統計学:講義(1.5時間)
□ 行動科学:特論(講義)(1.5時間)
□ リスクマネジメント:講義(1.5時間)
□ 高齢者筋力向上トレーニング:特論(講義)(1.5時間)/実習(10.5時間)
□ 転倒予防:特論(講義)(1.5時間)/プログラム実習(1.5時間)
□ 失禁予防:特論(講義)(1.5時間)/プログラム実習(1.5時間)
□ 高齢者の栄養改善活動:特論(講義)(1.5時間)
□ 口腔機能向上:特論(講義)(1.5時間)
□ 認知症予防:特論(講義)(1.5時間)
□ うつ・閉じこもり:特論(講義)(0.75時間)

修了試験を受験するには、原則として全講習を受講していることが条件です。

やむを得ない事情で欠席してしまった場合は、講義と実技をあわせた「総時間数」のうち、およそ8割程度の出席が認められている場合のみ受験できます。

出席が総時間数の6割に満たない場合は再受講、6割以上8割未満の場合は補講を受けなければならないため、注意が必要です。

介護予防運動指導員取得のメリット

介護予防運動指導員を取得すると、高齢者の日常生活に沿った運動プログラムを立案したり、指導ができるようになります。

マシントレーニングをはじめ、転倒を予防する体操や尿失禁予防運動といった運動指導を適切に行える知識と技能を身につけられるのがメリットです。

運動指導前後の効果に関する評価を行うスキルも学べるため、経過観察や指導内容の改善に知識を役立てることもできます。

介護施設に就職する際は、資格が採用に有利に働く可能性もあります。
また、転職時には即戦力になるスキルをもっているとみなされたり、スキルアップを目指せたりすることもあるでしょう。

まとめ

介護予防 まとめ

平成27年の介護予防法改正で新設された介護予防・日常生活支援総合事業では、地域の積極的な参加も含めた介護予防が重視されるようになりました。

地域住民や身近な高齢者の方々の役に立ちたい方、介護職員としてスキルアップしたい方は、まずは適切な介護予防に必要となる知識を身につけてみてはいかがでしょうか?

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参考サイト


厚生労働省「こ れ か ら の 介 護 予 防」(2018年7月27日,https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000075982.pdf)
厚生労働省「介護予防」(2018年7月27日,https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/index.html)
日本介護予防協会「介護予防指導士講習について」(2018年7月27日,https://www.kaigoyobou.org/course/)
日本介護予防協会「修了生の声」(2018年7月27日,https://www.kaigoyobou.org/voice/)
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所「よくあるご質問(Q&A)」(2018年7月27日,http://www.tmghig.jp/research/cms_upload/qanda201306.pdf)
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所「介護予防運動指導員養成事業」(2018年7月27日,http://www.tmghig.jp/research/shidoin/about/yobo1-3/)
ニチイ まなびネット「介護予防運動指導員養成講座とは」(2018年7月27日,http://www.e-nichii.net/kaigo/kaigoyobo/about/)
厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方」(2018年7月27日,https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000192996.pdf)
介護のお仕事「高まる注目度!介護予防運動指導員の取得方法・仕事内容・メリットとは?」(2018年7月27日,https://kaigo-shigoto.com/lab/archives/6103)
厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業 ガイドライン(概要)」(2018年8月1日,https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000088276.pdf)

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