駅や空港、百貨店、銀行、宿泊施設といった場所は、高齢者や体の不自由など障がいを抱えた方も多く利用するところです。
高齢者や障がい者が困難に直面したとき、適切な対応をしたり、サポートができたりする知識と技術を学べるのが「サービス介助士」。
サービス介助士は、運輸業・小売業・観光業・レジャー産業などのサービス業をはじめ、福祉施設や公共施設などで高齢者や障がい者のサポートする必要がある方にオススメの資格です。
この記事では、サービス介助士の資格概要や講座概要をくわしく紹介しましょう。
目次
サービス介助士とは?

サービス介助士は、高齢者や体の不自由な方など障がいを抱える方の安心、安全な外出をサポートする資格です。別名、「ケアフィッター」とも呼ばれます。
「おもてなしの心」と正しく安全な「介助技術」を学べる資格です。
サービス介助士を取得すると、車いすを利用している人が交通機関を利用する際の介助を正しくできたり、聴覚に障がいのある方を適切に案内したり、体を動かしにくい方の手伝いができたりするようになります。
高齢者や障がい者が住みやすい社会を実現するうえで大切な、社会貢献度の高い資格ともいえるでしょう。
サービス介助士の将来性

日本は「超高齢社会」に入りつつあります。
杖をついた方や、車いすの方、介護をされながら外出している方を街中で見かける機会も増えてきた、と感じる方もいるのではないでしょうか。
高齢者や障がい者の中には、外出に不安を感じる方もいます。
そのため、サービス介助士をはじめとして、外出時に役立つ正しい介助知識を持った方の存在が必要なのです。
実際、サービス介助士は、運輸業・小売業・観光業・レジャー産業といった、いわゆる「サービス業界」で求められています。
有資格者数は、平成30年(2018年)1月時点で15,015人。
平成28年(2016年)の有資格者数は12,518人だったため、有資格者数は年々増えているようです。
超高齢社会が進む中、需要はますます高まるでしょう。
◆参考:サービス介助士の公益財団法人日本ケアフィット共育機構「サービス介助士資格取得講座」
サービス介助士の資格概要

サービス介助士には「サービス介助士」、「准サービス介助士」、「サービス介助基礎検定」の3種類があります。
サービス介助士
サービス介助士は高齢者や障がい者のお手伝いをするさいに必要な「おもてなしの心」と「安全な介助技術」を身につける資格です。
- サービス介助士 講座概要
-
□ 対象:社会人、大学生、専門学生など
□ 受講費:41,040円(税込)
□ 検定費:3,240円(税込)
□ 受講期間:申し込みから最大12ヶ月
資格取得の流れですが、まずはテキストで以下の内容を学習します。
・サービス介助士の基本理念
・ホスピタリティ・マインド
・ノーマライゼーション
・高齢社会の理解
・高齢者への理解と介助
・障がい者への理解と介助
・障がい者の自立支援
・サービス介助士の接遇
・関連法規および制度
◆引用元:
【公式】サービス介助士の公益財団法人日本ケアフィット共育機構「サービス介助士資格取得講座」
テキストが終わった後は課題を提出し、試験を受けます。
100問中6割以上の正解であれば合格です。
なお、課題が合格の基準に満たない場合は再度提出する必要があります。その場合、費用は無料です。
最後に、実技教習を受けます。
実技教習は2日間連続で実施され、開催場所は東京、名古屋、大阪、札幌、仙台、広島、福岡、那覇など。
くわしくは、公式HPの「実技教習申込みページ」をチェックしてください。
◆参考:公益財団法人 日本ケアフィット共育機構「サービス介助士 実技教習のお申し込み(日程確認・日程変更)」
実技教習のプログラムは以下のとおりです。
・オリエンテーション
・ディスカッション(高齢者ってどんな人?)
・高齢者疑似体験
・ディスカッション(体験の感想など)
・ジェロントロジー(創齢学)とは
・ホスピタリティー・マインド・接遇訓練
・車いす操作方法・演習・移乗訓練
・聴覚障がいの方への介助
・歩行が不自由な方への介助
・視覚障がいの方への介助・演習
・盲導犬・聴導犬・介助犬
・ユニバーサルデザイン・共用品
・車いす操作と手引きの実技チェック
・総合ロールプレイ
◆引用元:公益財団法人 日本ケアフィット共育機構「サービス介助士 実技教習のお申し込み(日程確認・日程変更)」
実技教習2日目の最後に行われる検定筆記試験に合格すれば、資格取得となります。
問題数は50問、8割以上の正解で合格です。
試験時間は50分となっています。
なお、サービス介助士は上記の公式カリキュラムをとおしてのみ、取得できる資格です。
准サービス介助士
准サービス介助士は、介助に関する知識を自宅で手軽に勉強できる資格です。
通信講座の受講と在宅受験を通じて取得できます。
希望者は所定の申し込み手続きを行えば、サービス介助士の資格取得も可能です。
その場合は提出課題が免除され、実技教習から受講することができます。実技教習の受講費は27,000円(税込)です。
- 准サービス介助士 講座概要
-
□ 対象:社会人、大学生、専門学生など
□ 受講料:21,600円(税込)
□ 受講期間:申し込みから最大6ヶ月
学習にはサービス介助士と同じテキストを使います。ほかにも、介助技術のポイントを収録したDVDもあります。
その後課題を提出し、100問中6割以上の正解であれば合格です。
最後に、検定試験を在宅で受験します。
問題数は50問あり、6割以上の得点で資格取得です。
サービス介助士と准サービス介助士との違い
准サービス介助士は、2日間の実技教習の必要なサービス介助士とは異なり、在宅でも受験・資格取得ができる資格です。
また、後々サービス介助士の資格も取る場合でも、申し込みをすればサービス介助士の実技講習から受講することができます。
准サービス介助士の資格から取得し、サービス介助士へとステップアップをはかることも可能です。
サービス介助基礎検定
サービス介助基礎検定は、2時間で介助の基礎が学べる資格です。
講座は「体験」をメインとしており、高齢者や障がい者とのコミュニケーションに役立つ「気づき」を得られます。
- サービス介助基礎検定 講座概要
-
□ 対象:特になし
□ 受講料:5,400円(税込)
□ 受講期間:2時間
取得にあたり、受講者は以下のプログラムを学ぶ研修を受けます。
-
□ オリエンテーション
□ 高齢者への理解(認知症への理解を含む)白内障体験
□ 聴覚障がい者への理解体験
□ 車いす使用者への理解体験と実技
□ 視覚障がい者への理解体験と実技
◆参考:【公式】サービス介助士の公益財団法人日本ケアフィット共育機構「サービス介助基礎検定」
研修の最後に検定試験があり、合格すると「認定証」が付与されます。
研修会場は東京・横浜・名古屋・滋賀・大阪・福岡です。
サービス介助士の資格を仕事に活かすには?

前述したとおり、サービス介助士はサービス業界に従事する方にオススメです。
サービス介助士の半数近くは、鉄道・航空・バス・タクシーといった交通関係の仕事に就いています。
・交通機関を利用する高齢者や障がい者の切符の購入
・車体の揺れの注意
・エレベーターの案内といった声かけ
・乗り降りのサポート
このような業務に資格を活かしているようです。
ショップやレストラン、宿泊施設などで接客の仕事をしている方も多く取得しています。
試着を手伝ったり、レストランのメニューの字を読み上げたり、銀行の窓口案内をしたりと、おもてなしの心を持った接客・介助スキルを実践します。
利用者が落ち着いて外出や用事を済ませられるようなサポートに知識と技術を役立てている方が多いようです。
まとめ

日ごろから高齢者や障がいのある方と接する機会が多い方は、サービス介助士の資格を勉強してみてはいかがでしょうか。
福祉・医療に関連する仕事をしている方にとっても、資格の知識が役立つ場面があるでしょう。
普段の生活のなかで高齢者や障がい者が困っている場面に遭遇したとき、サッと手助けができるようになりたい方にもオススメの資格です。
高齢者や障がいのある方は、どういったことに困難を覚えることが多いのか?
日常のどういった場面で周囲に助けを求めたくなるのか?
など、サービス介助士の勉強を通じて、なかなか学ぶ機会がないことを吸収できたり、なにげなく過ごしていると実感しづらかったりすることを知るきっかけになるかもしれません。
おもてなしの幅を広げたい方や接客スキルを向上させたい方は、参考にしてみてくださいね。
気になる資格講座は【無料】でお取り寄せが可能です。
お気軽にウーモア編集部までお問い合わせください♪
参考サイト
【公式】サービス介助士の公益財団法人日本ケアフィット共育機構「サービス介助士資格とは?」(2018年8月3日,https://www.carefit.org/carefit/system/)
【公式】サービス介助士の公益財団法人日本ケアフィット共育機構「サービス介助士資格取得講座」(2018年8月3日,https://www.carefit.org/carefit/type/carefitter.php)
【公式】サービス介助士の公益財団法人日本ケアフィット共育機構「准サービス介助士資格取得講座」(2018年8月3日,https://www.carefit.org/carefit/type/associate.php)
【公式】サービス介助士の公益財団法人日本ケアフィット共育機構「サービス介助士基礎検定」(2018年8月3日,https://www.carefit.org/carefit/type/basic.php)