幼児食は「味付け」と「一口の大きさ」が命!【東京カルチャーセンター】取材レポート

偏りのある食生活や不規則な生活習慣が、さまざまな病気の原因となることは知られていますが、乳児・幼児期における食生活が影響していることはあまり知られていません。そこで「乳幼児食指導士養成通信講座」を展開する東京カルチャーセンター(株式会社日本フローラルアート)の黒石様と濱川様に取材をさせていただき、「幼児食はなぜ大切なの?」という点について詳しく話を聞いてきました!

昭和44年から続く通信教育会社の「老舗」

東京カルチャーセンターを運営する株式会社日本フローラルアートは、丸ノ内線東高円寺から徒歩5分、JR高円寺から徒歩15分ほどの住宅街にあり、昭和44年から続く老舗の通信教育会社です。

▼立派な自社ビルには大きな看板が!
日本フローラルアート外観
今回お話を聞かせていただいたのは、通教企画部の黒石雅子様と広告部の濱川直也様。お忙しい中、あたたかく迎えていただき早速取材がスタートです!本日はよろしくお願いします。

Q1.「幼児食」はなぜ大切なのですか?

インタビュアー:
単刀直入にお伺いします。「幼児食」って何で大切なんでしょうか?

幼児期の食習慣で、その子の一生の「食」と健康が決まります。

黒石様:
「幼児食」は、字の通り「幼児の時に食べる食事」のことです。幼児期にその子の一生の食生活のベースができます。その時の周りの大人(保護者の方、保育園・幼稚園の先生、祖父母の方)が、「何を」「どのタイミングで」「どんな内容で」幼児に食事を与えるかが、とても大切になります。(本当は与えるべきでない)大人と同じ食事や出来合いの物、「コンビニ食」などを安易に与えてしまう家庭もあれば、一方ですごく気を付けている家庭もあり、その落差が激しいのです。
幼児食の大切さ-日本フローラルアート
幼児期の食習慣は、大人になってからの生活習慣病の一因にもなります。行政も栄養士さんも重視してはいますが、幼児期の食事は完全に周りの大人次第。周りの大人がどれだけ正しい知識と責任を持てるかが大切なので、幼児食の正しい知識を学んで子どもを育てていただければと思います。
幼児期は食問題(ばっかり食べ、好き嫌い、遊び食べ)の多い時期でありながら、核家族化で親世代の知識を頼れない。ママ友同士でも「うちの子はそんなことないよ」と言われてしまうと、その時点で悩み相談ができません。そういう悩みを持つお母さんたちに幼児食の正しい知識があれば、食問題の対処ももっと楽になるのではないか、と思います。

Q2.幼児食は子どもの健康にどんな影響がありますか?

インタビュアー:
幼児食は、子どもにとってどのような影響があるのですか?

胎児の段階から健康面で影響があります。

黒石様:
母体の段階ですでに低栄養だったり、生まれてからも栄養が偏っていたりする子が後々どのような食生活になっているか、代謝がどうなっているか、病気がちかどうか、ということが調査で出ています。「低体重児」「生活習慣病」などでインターネット検索をすると、資料も出てきます。
そのため幼児食を勉強して、子どもの食事に気を付けることで、自分の食事も気を付けなければいけないということに気付いてほしいのです。キツい言い方をすれば、自分の食事の面倒も見られない人は、子どもの食事の面倒も見られないということです。子どもの食事だけ気を付ければ良いということではありません。

Q3.家庭での幼児食は、どんな点に気を付けるべきですか?

インタビュアー:
小さな子がいる家庭で、食事を作る時に気を付けたいポイントはどんな点ですか?

第一に「味付け」。続いて「食べ物の大きさ」です。

黒石様:
一番は味付けで、塩分と砂糖の量です。
歯が生え始めてある程度食べられるようになると、どうしても大人と同じような食事にしてしまいがちです。肉じゃがのような煮物も大人と同じ味付けにしてしまったり、出来合いの物をそのまま出してしまったり、という家庭が結構あります。幼児期は一番味覚が敏感なので、色々な味を覚えさせなければなりません。その時期に濃い味を覚えてしまうと、大人になると更に濃い味を求めてしまうことがあるので、味付けはとても大事なんです。
家庭での幼児食の注意点-日本フローラルアート
あとは食べ物の大きさです。口の中の発達(舌の動きや口の容積、歯がどのくらい生えているか)によって食べ物の大きさも変わってきます。そういった知識がないと、子どもが丸飲みしてしまったり、口から吐き出したり、好き嫌いの原因になったりします。丸飲みを続けている子どもは、食べ過ぎから肥満や便秘になりやすいので、「味付け」と「食べ物の大きさ」の2点については注意してほしいと思います。
大人と子どもの料理を分けて作るのは当然大変なので、煮物なら出汁で煮た段階で子どもの分だけ取り出して、離乳食の時期ならそのまま潰して食べさせる、幼児期だとちょっとだけ味を付けて出すと良いと思います。

Q4.保育園や幼稚園での幼児食は、どんな点に気を付けるべきですか?

インタビュアー:
保育園や幼稚園で昼食や夕食を食べる子どもも多いと思いますが、保育士や幼稚園の先生が気を付けることはありますか?

子どもの発育に合った食事が理想。最低限の知識は持ってほしいです。

黒石様:
子ども一人ひとりの発育状態が違うので、与えるべき食事も全く違うというところです。一般的には、5,6か月だったらこれ、1歳過ぎるとこれ、で済むように思われがちですが、1歳を越えても上手く食べられない子もいます。そういった対応方法について保育園や幼稚園でも困っていると聞いています。子どもの発育に合わせた食事が分かれば、その子に合う食事を提供できるし、「なんでこの子は食べないの?」という悩みも多少減るのではと思っています。
ただ、保育士さんや幼稚園の先生は本当にお忙しい。勉強する時間なんてない方が多いので、弊社の講座は管理栄養士の間宮智子先生が考えた「最低限これだけは知っておいて!」という内容で作っています。気を付けるというよりは、いかに効率的に幼児食の知識を身に付けるかがポイントになってくると思います。

Q5.幼児食の知識があることで、どんなメリットがありますか?

インタビュアー:
親や保育士が幼児食の知識を持っていると、どのようなメリットがあるでしょうか?

子どもの健やかな成長を促し、裏付けある知識が自信につながります。

黒石様:
保護者の方のメリットは、自分の子の成長に合わせた食事を作って無理なく食べさせることができ、子どもの発育が促せます
保育士さんや園の先生からすると、子どもたちのケアはもちろん、保護者から食に関する相談や要望があった時の対応に役立ちます。保護者から押し付けに近い要望があった時などに説明することがあるかと思いますが、そこに裏付けや確証がないと伝えづらいですよね。でも幼児食を学んでいれば「こういう理由でこうしていますよ」と、ちゃんと自信を持って伝えられると思います。

Q6.幼児食の大切さを広めるために、どんな取り組みをしていますか?

インタビュアー:
幼児食の普及活動として、御社ではどのような取り組みをされていますか?

食育・幼児食のパイオニアとして、資格講座を提供しています。

▼東京カルチャーセンターの資格講座「乳幼児食指導士養成通信講座」の資料
幼児食の普及活動-日本フローラルアート

黒石様:
受講生を対象にセミナーをしたり、資格講座を提供しています。幼児食の講座を作ったのはおそらく弊社が初めてですし、新聞広告で「幼児食」や「乳幼児食指導士」という言葉で出稿したことが認知度アップにつながったと思います。

濱川様:
「乳幼児食指導士養成通信講座」という資格講座を提供していること自体が啓蒙活動だと思っています。大それたことはできていませんが、受講生の方に学んでいただいて、現場で活かしていただくことで普及に貢献できているかな、と。もともとは食育の講座があって、食系の講座を増やしてきました。2005年頃に「食育」という言葉が流行りだし、その時期に弊社がおそらく日本で初めて食育講座を作ったと思いますが、その礎を築いたという自覚はあります。

黒石様:
幼児期の食事というと、「たかが1、2年でしょ?食べられるようになれば大丈夫でしょ!」とよく言われるのですが、「いやいや、そうじゃないよ」って(笑)今後も正しい知識を広めていきたいですね。

濱川様:
幼児食に関しては、そもそも知識を得られる場面が少ないんですよね。

黒石様:
自分の親世代が育児をしていた時と比べて常識が変わってきている中、「誰を頼ってどのようにすれば良いの?」と悩むお母さんが多いんです。

厚生労働省から「授乳・離乳の支援ガイド」というものが出ていて、これの幼児食版の策定について話自体はずっと出ているのですが、ここ何年も止まっている状態のようです。
授乳・離乳についてはそのガイドをベースにすれば良いですが、幼児食にはそのベースがありません。幼児食に関する行政からの正式な見解がないので、余計に保育園・幼稚園の先生や栄養士の方も困っているのではと思います。

Q7.幼児期の食事に悩んでいる方にメッセージをお願いします!

インタビュアー:
では最後に、子どもの食事について悩んでいる保護者の方や保育現場の方にメッセージをお願いします。

流行り・すたりに惑わされず、確かな知識を学んでください。

黒石様:
やはり、きちんと裏付けある知識を勉強することが一番だと思います。育児書や育児法にも流行り・すたりがあって、それに飛びつくお母さんがすごく多いのが事実。保護者から「うちの子にはこれ以外食べさせないで!」と言われて、保育現場の方が困っているケースも聞きます。そんな時、裏付けされた知識を持っていれば説明に自信が持てるし、流行り・すたりの情報にも振り回されないで済みますよね。情報があふれる中、自分で見極められる知識をつけていくことが大切だと思います。

後編につづく

幼児期に「何をどのように食べたか」が一生の食習慣を決め、生活習慣病の原因にもなりうるとは…。

幼児期の食事がいかに大切かが、よく分かりますね。…とはいえ、大事な幼児期の正しい食事作りを、何からどう始めれば良いのか不安な方も多いのでは?

東京カルチャーセンターでは、幼児食を基礎から学べる「乳幼児食指導士養成通信講座」という資格講座を開催しており、こちらについても詳細をうかがってきました!後編ではその内容をまとめています。

▼ 後編はこちらから!

乳幼児食指導士 東京カルチャーセンター 学ぶメリット 身につくスキル 

多忙な保育士や主婦も安心!「乳幼児食指導士養成通信講座」【東京カルチャーセンター】取材レポート

2016年8月16日
ウーモアでは「乳幼児食指導士養成通信講座」の資格講座を掲載しています。講座に興味のある方は、以下から詳細が確認でき、無料で資料請求もできます。

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