資格は、大きく3種類に分けられます。
国家資格・民間資格・公的資格という区分です。
資格取得の目的は人によってさまざま。
今の仕事のスキルアップ、転職、教養をつけたい、将来のために取っておきたいなど・・・。
「どうせ目指すなら、食べていける資格を!」と思う方も多いでしょう。
資格を取る際、その種類はひとつの目安になり得ます。
今回は、資格取得を目指すなら知っておきたい「国家資格・公的資格・民間資格の違い」についてご紹介しましょう!
資格を取得することで、「今の自分になにかプラスしてみたいな」とお考えの方は、興味のある資格を探してみてはいかがでしょうか。
何が違う? 国家資格・公的資格・民間資格

「『士』がつけば国家資格?」
「国家試験がない=国家資格じゃない?」
なんとなくのイメージでとらえている方も多いかもしれません。
民間資格・公的資格・国家資格、それぞれ何が違うのかを見てみましょう。
国家資格って?やっぱり難易度高い?

資格専門誌『稼げる資格』編集長の乾喜一郎氏によれば、国家資格とは以下のように表すことができるようです。
国の法律で規定されている資格で、知識や技術が一定の水準以上であることを国が認定するものです。
◆引用元:【スタディサプリ進路】高校生に関するニュースを配信「ちゃんと知っておきたい! 国家資格と民間資格の違いは?」
つまり、国家資格とは、法律にもとづいて国や国から委託を受けた機関が、能力・知識・技能などが一定水準に達していることを認定している資格といえるでしょう。
認定元:国
難易度:高
法律によって、一定の社会的地位が保証されることも特徴です。
取得の難易度は高いですが、 社会的な信頼性や信用性も高いといわれています。
資格を保有していなければ就けない職種や、有資格者の雇用が義務付けられている業界もたくさんあります。
資格によっては、試験に合格しないと取得できないものと、養成施設を修了すると同時に取得できるものもあります。
国家資格は、以下のように分けられます。
業務独占資格
業務独占資格は、弁護士、医師、看護師、建築士、土木施工管理技師、美容師、教員免許など、その資格を取得しなければ業務を行えない資格です。
人の命や、公共インフラに関わっているだけではなく、お客さまに健康被害を及ぼしかねない美容師などの仕事も業務独占資格の一種です。
資格を活かした仕事先で、安全に業務を遂行することが、「業務独占資格」の目的ともいえるでしょう。
名称独占資格
名称独占資格には、保育士や介護福祉士、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント、栄養士、中小企業診断士などが含まれます。
専門的な技能を持っていることを証明し、社会的に「その道のプロ」として認められる資格と解釈できます。
医師、保育士、介護士など上にあげたような医療・福祉系の仕事は、人の命に関わる仕事であるため責任も重いです。だからこそ、国が定めた能力・知識・技能を満たさなければならないんだ・・・とのしかかってくるものもあるでしょう。
公的資格って何?国家資格とは違うの?

資格の学校で有名なTACによれば、公的資格とは、「国家資格に準ずる資格」といわれています。
そのため、厳密には国家資格とは異なります。国の法律による規制もありません。
ただし、知名度や信用度が高い資格も多いようです。
認定元:管轄の官庁、大臣、日本商工会議所が多い
難易度:中~高
公的資格の試験は、所轄省庁や大臣が認定した審査基準のもと、地方自治体・財団法人・社団法人・民間団体などによって行われています。
どんな資格があるの?
具体的な資格としては、登録販売者、簿記検定、ケアマネジャー、介護職員初任者研修、実務者研修などがあげられます。
ちなみに、「公的」と名がついているように、取得した資格は公的に通用します。
民間資格ってよく耳にはするけど、いったいどんな資格?

民間資格は、「業界の発展・向上を目的」に、民間団体・企業・学校が独自の基準で認定する資格だといわれています。国家資格、公的資格と比べて、数が圧倒的に多いことも特徴です。
認定元:民間団体、企業、学校
難易度:低~高
国家資格と違って法律の規制がない点も特徴です。
民間資格は民間団体や企業、学校が認定元であるケースがほとんどです。そのため、社会的情勢や、社会的ニーズが反映されて生まれたものもあるといわれています。
民間資格って信用できるもの?
国家資格にはないようなオリジナリティの高い資格も存在し、人材育成のために企業内に独自の資格が設けられていることもあります。
その資格を取得していることで、その人にある一定の能力が備わっていることを証明してくれる場合もあります。
国家資格・公的資格をゆうに上回る民間資格も存在するケースもあります。
たとえば、TOEIC、MOS、英検などは、認知度も信用度も高めの資格でしょう。
国家資格や公的資格と近い名称の民間資格も多いため、国家資格や公的資格を取りたい方は要確認する必要があるでしょう。
民間資格ってどんな種類がある?
チャイルドマインダー、整体師・カイロプラクター、リフレクソロジスト、医療事務、メイクアップアーティスト、MOS、秘書検定、賞状技法士、介護事務、認知症介助士・・・など、すべてをあげようと思えば正直きりがありません。
それほどまでに、民間資格は、実に多種多様なのです。
国家資格と公的資格、民間資格の違い

ここまで、国家資格・公的資格・民間資格についてそれぞれ見てきました。
では、その明確な違いはどこにあるのでしょう?
端的にいうならば、国の法令・政令・省令に規定があり、法的な裏付けがある資格が国家資格。
一方、法的な裏付けがないのが民間資格・公的資格といえましょう。
とはいえ、前述したように法的な裏付けがなくても認知度・信用度が高く、知識や技術を証明できる公的資格・民間資格も数多くあるので、そのあたりは心得ておくようにしましょうね。
「国家資格=スゴい」、「民間資格=ダメ」じゃないですよ!

国家資格の方が価値が高くてスゴい!
民間資格の方が価値が低くてダメ、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、そういうわけではないのです。
賢い資格の選び方
資格を取得するにあたって、一番大切なことはなんでしょうか?
それは、
・資格を活かして新しい仕事につきたい
・資格を今の仕事に活かしたい
・培った知識やスキルを家庭で役立てたい
・趣味に活用してみたい
など、自分の目的と目標に合った資格を選ぶことではないでしょうか?
ムリなく学習を進め、計画的に知識を積んでいくことも大事にしたいポイント。
つまり、ステータスに惑わされず、目的に合う資格を選ぶことが重要なのです!
単純にステータスで資格を選んでも、学習のモチベーションってきっと維持しにくいですよね。
たとえマイナーで求人ニーズがイマイチな民間資格でも、活かし方は自分次第。
新しい知識を得ることで心が豊かになったり、家族や友人に喜んでもらったり・・・。
仕事に活かすことだけが、資格の役立て方ではないはず。
趣味・教養のためであっても、学ぶ目的がある、何かを学びたいという姿勢を持っていることは、本当に素敵だと思います。
まとめ

国家資格・公的資格・民間資格の違いについてご紹介しました。
欲しいと思っている資格が、お金も時間もかけて取る価値があるのかは、誰もが気になるところでしょう。
おおもとの目的がぼんやりしてしまっていたために、せっかく資格をとったのに何もリターンがない・・・そんな資格の「取り損」は避けたいもの。
どんなきっかけでその資格に興味を持ったのか?
その資格を取った後、自分はどうなりたいのか?
この点を、ぜひじっくり考えてみましょう。
資格取得に関するお役立ち情報は、ウーモアで随時アップしていきますので、お楽しみに!
参考サイト
【スタディサプリ進路】高校生に関するニュースを配信「ちゃんと知っておきたい! 国家資格と民間資格の違いは?(2017/11/29, https://shingakunet.com/journal/career/37331/)
TAC「資格の選び方」(2017年3月31日,http://www.tac-school.co.jp/pittari/column2.html)