子どもに関する資格の中でも、人気を二分している「チャイルドマインダー」と「保育士」。
保育士は国家資格で集団保育がメインですが、チャイルドマインダーは民間資格で家庭的な個別保育がメイン。どんな形でお子さんと向き合いたいのか、どんな働き方をしたいのかによって、取得を目指したい資格は変わってきます。
今回は、この2つの資格の違いを比較してみました。資格取得をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
チャイルドマインダーとは

チャイルドマインダーは、70年以上前にイギリスで生まれた「少人数保育の専門家」を示す資格です。日本では民間資格ですが、イギリスでは、国が技術や能力を保証する「国家職業資格」に認定されています。「家庭的保育のスペシャリスト」とも言われているようです。アイドルグループ嵐のメンバー全員が資格を取ったことで、認知度が高まりました。
チャイルドマインダーの資格は、資格認定を行う団体の養成講座を受講後、試験に合格すれば取得可能。受講期間は6ヶ月までが目安で、社会人・未経験・主婦の方も挑戦しやすい資格です。
資格取得後は、自宅で託児所を開業したり、お客様の自宅で保育サービスを行う方が多数派。働く時間・場所に制約がある方も、自分のライフスタイルに合わせて働ける点が魅力です。
チャイルドマインダーの詳細については、こちらの記事をご覧ください。
保育士とは

保育士は子どもの保育に携わる国家資格で、厚生労働省の管轄です。
「指定保育士養成施設」と呼ばれる、大学や専門学校などに通って、所定の単位を取得して卒業するだけではなく、「保育士試験」に合格することでも、保育士になることができます。そして、各都道府県の「保育士登録簿」に登録することで、保育士として働くことができます。
一度免許を取得してしまえば、免許の更新は必要ありません。国家資格を持つ専門職として、資格を武器に全国どこでも働けます。年齢に関係なく働き続けられると共に、自身の育児経験も役立られるので、女性を中心に人気を集めている資格でもあります。
少子化が進んでいますが、待機児童問題もあり保育士は大変ニーズが高い仕事です。保育所だけではなく、一時保育を行う小規模施設やベビーシッターなど、多彩な職場で保育士の有資格者を募集しています。
保育士の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
チャイルドマインダーと保育士の違い
チャイルドマインダーと保育士には、どんな違いがあるでしょうか。
資格の違い
チャイルドマインダーは民間資格、保育士は社会的な信頼度が高い国家資格という違いはあります。
ただし前述の通り、チャイルドマインダーは、本国イギリスでは「国家職業資格」の一つとして、知識や技能の高さを国が保証しています。少人数保育の知識を学ぶために、保育士がチャイルドマインダーの資格を取得する場合も。
求人数の違い
現在、保育士不足が深刻化しています。
保育士の有効求人倍率は全国で2.18倍、東京都では5倍を超えます*。保育士は、仕事を探す人一人あたりに対する求人数が多いということです。
一方、チャイルドマインダーは、保育士と比較すると求人が少ない点は否めません。ただし、TVや雑誌で取り上げられることもあり、知名度は徐々に高まってきています。元々チャイルドマインダーは、少人数保育を主眼に置いています。資格取得後は自宅開業を目指す方が多数派のため、求人数の違いは大きな問題にはならないといえそうです。
*平成27年1月時点の保育士の有効求人倍率は全国平均で2.18倍、東京都では平成26年12月~平成27年1月、平成27年8~10月は5倍を超える状況。
保育を行う場所の違い
チャイルドマインダーは、自分の自宅、お子さんの家庭、民間の託児施設などで保育を行います。自宅で開業して、複数のお子さんの保育をするチャイルドマインダーも多数。子どもの「個」を重んじる、少人数保育・家庭的保育を実践するのが特徴です。
保育士が保育を行うのは、保育所や施設などの児童福祉施設が主な場所です。そのため集団保育がメインになり、大型の施設では100名以上のお子さんが通っている所もあります。
保育できる子どもの数の違い
チャイルドマインダーと保育士は、保育する子どもの数の上限が異なります。
チャイルドマインダーは個別保育や家庭保育がメインなので、0歳は2人、1歳は3人、2~4歳は4人までと定められています。
一方、保育士は集団保育がメイン。0歳は3人、1~2歳は6人、3歳なら20人、4歳以上は30人と定められています。都道府県や市区町村によっては、上記より更に保育士1人あたりがみる人数が少ない場合もあります。
子どもと深く関わりたいならどっち?

チャイルドマインダー
一人ひとりと向き合って個別保育をしたい方には、チャイルドマインダーや少人数保育に注力する施設がオススメです。
少人数保育では、お子さんに合わせた柔軟な対応ができるだけではなく、お子さんや保護者の要望に寄り添い対応しやすいというメリットがあります。
集団保育と少数保育にはそれぞれ良さがありますが、子ども一人ひとりとより密に関われるのは、チャイルドマインダーと言えそうです。お子さんと向き合って成長を共に喜ぶパートナーとして、自分がどんな形で保育に携わりたいのか、良く考えてみてくださいね。
保育士
保育士は、集団保育が中心で、お子さんの社会性や自立心を育みながら、保育に携わることができます。
保育所の集団保育は、核家族化が進む中、異年齢のお子さんとのコミュニケーションを通じて、集団生活のルールを覚えることができるメリットもあります。その分、規模の大きな保育施設だと、どうしてもきめ細やかな対応が難しいことも。
チャイルドマインダーと保育士の収入を比較!

チャイルドマインダーの収入めやす
チャイルドマインダーの収入は、施設勤務の場合、時給1000円前後スタートの場合が多いです。お子さんのご家庭で保育をする訪問では、約8時間お子さん1人を保育して時給1500円~。自宅で開業すると、3人のお子さんの保育を11時間前後担当して、ひと月に約30万円程度がめやす。
担当するお子さんの年齢や、一度に保育を行う人数によっても異なりますが、チャイルドマインダーの場合は、自宅開業が最も効率良く高収入が見込めるケースが多いです。深夜や早朝の対応、8時間を超える保育などの場合には、報酬が高額になります。
保育士の収入めやす
保育士は、施設勤務で正社員として働くケースが多く、月収は20万円前後です。
公立の保育園の場合には、勤続年数によって年収が上がっていくので、離職率が低いとされていますが、給与が安いことを問題視する向きがあり改善の議論が高まっています。
勤続年数以外には、施設長就任など、キャリアアップをすることで収入が上がることもあります。アルバイトの場合には、フルタイム勤務だけではなく早朝や夕方以降など、正規職員の不足を補う短時間労働の求人も多く、時給は地域によって異なりますが1000円前後からです。
夏季休暇等の長期休暇の臨時職員の求人もあり、保育資格を取得して離職した方が、短期アルバイトや短時間勤務で復職するケースも多くあります。
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チャイルドマインダーのオススメ講座!
チャイルドマインダー資格を取得するにあたり、オススメの講座をご紹介しましょう。
NCMA.JAPAN

NCMA.JAPANのチャイルドマインダー講座では、チャイルドマインダーの発祥地であるイギリスの認定するトレーニングプログラムをもとにしたメソッドで学習ができます。
NCMA.JAPANのチャイルドマインダー講座には、通信と通学のふたつのコースがあります。NCMA.JAPANで講座を修了すると、公益法人チャイルドマインダー事業者協会より修了証が授与されます。
- 英国チャイルドマインダー通信講座
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□ 受講条件:18歳以上で心身共に健康である方が対象
□ 受講費用:通信本科コース 199,800円
通信有資格コース 194,400円
※上記はすべて税込金額です。
□ 受講期間:目安3ヶ月~6ヶ月(受講期限6ヶ月)
□ 学習スタイル:通信
□ 取得できる資格名:
英国チャイルドマインダー
MFA救急救護法・国際修了カード
- 英国チャイルドマインダー養成セミナー
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□ 受講条件:18歳以上で心身共に健康である方が対象
□ 受講費用:本科コース 200,880円
一般特待コース 200,880円
B.Cキャリアアップコース 183,600円
特待生コース 178,200円
看護師コース 178,200円
※上記はすべて税込金額です。
□ 受講期間:6日~8日間・随時入校可能(受講期限1年間)
□ 学習スタイル:通学
□ 取得できる資格名:
英国チャイルドマインダー
MFA救急救護法・国際修了カード
ヒューマンアカデミー

ヒューマンアカデミーのチャイルドマインザー講座は通学講座のみです。ヒューマンアカデミーのチャイルドマインダー講座では、短期間で効率よくチャイルドマインダーについて習得できます。
また、ヒューマンアカデミーのチャイルドマインダー講座は、チャイルドマインダーの本場であるイギリスの職業スキルを満たす「BTEC認定チャイルドマインダー養成スクール」として日本で初めて認定されたことも特徴です。ヒューマンアカデミーの講座は「BTECレベル3認定証」の授与によって修了となります。
- BTEC認定チャイルドマインダー養成講座
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□ 受講条件:とくになし
□ 受講費用:
【入学金】30,000円(税込32,400円)
【受講料】331,352円(税込357,860円)
□ 受講期間:約6ヶ月・随時入学可能(150分×20回+180分×4回⇒62時間)
□ 学習スタイル:通学
□ 取得できる資格名:
チャイルドマインダー
小児救急救護法国際認定
チャイルドマインダー・ジャパン
チャイルドマインダー・ジャパンは、「乳幼児の保育に関する知識の教授」として日本の特許庁から認可されているスクールです。講座は通学講座と通信講座に分かれています。チャイルドマインダー・ジャパンの講座の受講のメリットは低価格・受講のしやすさといえましょう。
- チャイルドマインダー養成 通信コース
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□ 受講条件:保育に熱意と関心のある16才以上の方
□ 受講費用:129,600円+認定試験料 10,800円
※上記はすべて税込金額です。
□ 受講期間:在宅学習[標準 2~4ヶ月]+実技講習 1日間
□ 学習スタイル:通信
□ 取得できる資格名:NPO法人新保育学会認定チャイルドマインダー
- チャイルドマインダー養成 通学コース
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□ 受講条件:保育に熱意と関心のある16才以上の方
□ 受講費用:151,200円+認定試験料 10,800円
※上記はすべて税込金額です。
□ 受講期間:講習時間 36時間
標準講習日数 6日間
□ 学習スタイル:通学
□ 取得できる資格名:NPO法人新保育学会認定チャイルドマインダー
なお、チャイルドマインダーの資格講座が気になる方は、各都道府県別に開講している講座を検索できます。無料で資料請求もできますので、ご自分の近くのスクールを検索してみてくださいね。
まとめ

チャイルドマインダーと保育士の違いは、お分かりいただけましたか?集団保育のスペシャリスト【保育士】と、少人数保育のスペシャリスト【チャイルドマインダー】。どちらにもそれぞれ魅力・やりがいがあるでしょう。
ご自身がどんな形で保育に関わりたいか、じっくり考えてから資格取得を目指してみてくださいね。
チャイルドマインダーの資格を取りたい!という人は通学や通信など自分に合った講座を以下より探してみてください。気になる講座は無料で資料請求できます。
保育士を目指している方は、以下から保育士資格講座の資料請求ができます。
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参考サイト
NCMA,Japan「採用情報」(2017年7月20日,http://www.hoiku.co.jp/recruit/index.shtml)
厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」(2017年7月20日,http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1.html)
厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」(2017年7月20日,http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2015/)
NCMA,Japan「チャイルドマインダーは保育士より手軽に取得できる資格」(2017年7月20日,http://www.hoiku.co.jp/lp/)
チャイルドマインダージャパン(2017年7月20日,http://www.childminder.jp/)
総合学園ヒューマンアカデミー(2017年7月20日,http://ha.athuman.com/)
ヒューマンアカデミー「保育士/チャイルドマインダー講座」(2017年7月20日,http://haa.athuman.com/academy/child/)