認知症ケアに関する資格を3つ紹介!試験の詳細もチェック

認知症 資格 認知症ケア専門士 認知症介助士 認知症ケア指導管理士

認知症は珍しい病気ではなく、親や家族、自分自身にかかわる身近な病気になりました。

この記事では、認知症ケアの専門家を目指せる3つの資格、

「認知症ケア専門士」
「認知症介助士」
「認知症ケア指導管理士」

について、くわしく紹介します!

日本の認知症の現状について

認知症 現状

内閣府が公表している「平成28年版高齢社会白書(概要版)」によると、高齢者の認知症患者数は2012年で7人に1人の割合でしたが、2025年には5人に1人が認知症になると見込まれています。

65歳以上の高齢者の認知症患者数と有病率の将来推計についてみると、平成24(2012)年は認知症患者数が462万人と、65歳以上の高齢者の7人に1人(有病率15.0%)であったが、37(2025)年には約700万人、5人に1人になると見込まれている
◆引用元:内閣府「平成28年版高齢社会白書(概要版)」

認知症を治すことを考えるだけでなく、認知症とともに生きる方法と向き合っていく時代かもしれません。

認知症について学習をしたり、エキスパートになるための資格を取得しておいたりすることで、現在介護職に就いている方は今後の活躍の場が広がっていく可能性があります。

今後ニーズの高まりが予想されるということで、これから認知症ケアに関する仕事をしようと考えている方にとっても、資格の勉強や取得はプラスに働くことが推測できます。

◆参考:内閣府「平成28年版高齢社会白書(概要版)」

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士

「認知症ケア専門士」は、「日本認知症ケア学会」が認定する資格です。

認知症ケアの知識と技術、倫理観を備えた専門技術士の養成を通じ、保健・福祉に貢献することが望まれます。

生涯学習の機会を提供しているため、資格は更新制度をとっています。
そのため、資格の維持には指定された講座への参加が必要で、5年間で30単位以上取得することが条件です。

認定試験の合格基準は、筆記のみの1次試験では7割以上の正答率を獲得すること。
2次試験では論述・面接の総合評価により合否が決まります。

認知症ケア専門士 概要
□ 受験資格:認知症ケアに関する施設、団体、機関などで2008年4月1日~2018年3月31日の間に3年以上の認知症ケアの実務経験がある方
□ 受験費用:
1次試験 3,000円×受験分野数(4教科すべて受験の場合は12,000円)
2次試験 8,000円
願書(受験の手引) 1,000円(税込)
□ 試験時間:2日間
1次試験(約7時間)
2次試験(面接試験は約20分)
□ 試験会場:
1次試験 札幌、仙台、東京、名古屋、京都、小倉(福岡)
2次試験 札幌、仙台、東京、名古屋、京都、博多(福岡)

なお、受験資格のくわしい注意事項について、公式サイトは以下のように発表しています。

認知症ケアの実務経験を証明する施設,団体,機関等は,認知症専門である必要はありません.また,職種や職務内容についても,認知症ケアに携わっている限り制限はありません.
介護福祉士や介護支援専門員等,資格の有無にかかわらず受験が可能です.
介護福祉士や介護支援専門員等,有資格者であっても認知症ケア実務経験証明書の提出が必要となります.
ボランティア活動,実習等は,認知症ケアの実務経験に含まれません.
再受験者は過去の試験において発行された結果通知にて,合否および合格有効期限(各分野の合格の有効期限は5年間)を確認し,必要な分野の受験申請を行ってください.
◆引用元:認知症ケア専門士公式サイト「第14回認知症ケア専門士認定試験」

2次試験の受験資格は、1次試験の合格者のみが対象となっています。

1次試験の出題範囲は、「認知症ケア標準テキスト」に準じた問題です。
教材は1巻~5巻まであり、価格は合計1,0651円(税込)です。5巻のみ2次試験に対応した内容となっています。

試験問題は、4分野にわたって出題されます。
各分野につき50問、すべて五者択一式のマークシート形式です。

また、4分野すべての合格基準を満たなければ、1次試験の合格者とは認定されません。

上級資格「認知症ケア上級専門士」

認知症ケア専門士のステップアップとして、「認知症ケア上級専門士」も2009年に創設されました。

上級専門士の資格取得者には、チームリーダーや地域のアドバイザーとして社会的役割を果たすことが期待されています。

「認知症ケアにおける倫理」
「認知症ケアのためのケアマネジメント」
「介護関係者のためのチームアプローチ」
に関する出題から、7割以上の正答率によって合否が決まります。

認知症ケア上級専門士
□ 受験資格:
1.認知症ケア専門士としての経験が3年以上ある
2.専門士資格更新の有無にかかわらず、2013年4月1日~2018年3月31日までに認知症ケア専門士の単位を30単位以上取得している
3.認知症ケア上級専門士研修会の修了者
4.次のうちのいずれかを満たす
①認知症ケア上級専門士制度規則にある学術集会、地域部会研修会等で演題発表、事例報告(筆頭者のみ)の経験がある
②認知症ケア上級専門士制度規則にある、査読制度のある機関誌等での論文・事例発表(筆頭者のみ)の経験がある
(2013年4月1日以降、専門士資格取得以降~受験申請期間最終日までに行った発表に限る)
□ 受験費用:10,000円
願書(受験の手引) 1,000円(税込)

教材は「認知症ケア上級専門士テキスト」です。
こちらは1~3巻まであり、価格は合計で7,128円(税込)です。

認知症介助士

認知症介助士

「認知症介助士」は、公益財団法人「日本ケアフィット共育機構」が認定しています。

家庭や地域でも活かせる認知症ケアに関する正しい知識を身につけられるのが特徴です。
サービス業の方や、認知症の方を見かけたときに対応できる知識を身につけたい方にもオススメの資格です。

認知症介助士 概要
□ 受験資格:なし
□ 試験問題:30問(選択肢)
□ 試験時間:45分
□ 合格基準:30点満点。21点以上で合格(1問1点)

なお、認知症介助士の試験を受けるには3通りの方法があります。

①「認知症介助セミナー」を受講してから受験する

 
インストラクターによる講義とディスカッションによるセミナーの受講後、試験を受験できる方法です。

試験のポイントになる部分をインストラクターが解説してくれるため、独学に不安がある方は受講してみると学習がスムーズに進むかもしれません。

□ 受講資格:セミナー、検定試験の両方を受ける方
□ 受講費用:
テキストをもっている方 19,440円(税込)
テキストをもっていない方 16,200円(税込)
□ セミナー内容:認知症に対する理解/ディスカッション/ロールプレイなど
□ 受講時間:6時間
□ 試験会場:東京、大阪、福岡、名古屋

②財団運営の共育センターなどで受験する

指定日に共有センターでマークシート形式の試験を受ける方法です。

□ 受験費用:3,240円(税込)
□ 試験会場:東京、大阪など(その他の会場でも不定期実施)

③全国のCBT試験会場で受験する

全国各地のCBT試験会場で受験する方法です。

CBT試験会場では、試験をパソコンで受けられます。操作はマウスのクリックがほとんどで、択一式となっています。

□ 受験費用:3,240円(税込)
□ 試験会場:全国各地のCBT会場(詳細は公式サイトより確認可能)

認知症ケア指導管理士

認知症ケア指導管理士

「認知症ケア指導管理士」は一般財団法人「職業技能振興会」が認定している認知症ケアの専門性向上を目的につくられた資格です。

医療従事者、介護の仕事に就いている人、家族の介護をしている人など、すでに1万人を超える方々が認知症ケア指導管理士の資格を取得しています。

認知症ケア指導管理士
□ 受験資格:とくになし
□ 受験費用:
一般7,500円
学生(大学生・専門学校・高校生)4,000円
□ 試験時間:90分
□ 試験会場:

認定試験は、認知症ケア指導管理士のテキストを使って独学で勉強して受けます。

試験の勉強で使われる教材は、「認知症ケア指導管理士(初級)試験公式テキスト」です。
価格は2,000円(税別)となっています。

認定試験の合格基準は、7割以上の正答率です。
試験は60問出題され、すべて五者択一式のマークシート形式です。

なお、財団主催の試験対策講座も設けられています。
「直前模擬試験解答講座」、「短期講座」、「認知症ケア指導管理士(初級)試験公式テキスト解説DVD講座」の3つがありますので、気になる講座の情報はチェックしてみるとよいでしょう。

対策講座の詳細は以下より確認できます。

第18回 認知症ケア指導管理士(初級)認定試験対策 直前模擬試験解答解説講座

第18回 認知症ケア指導管理士(初級)認定試験対策 短期講座

認知症ケア指導管理士(初級)試験公式テキスト解説DVD講座

介護資格記事一覧

介護資格については、こちらの記事にまとめています。

介護関連の資格は何がお勧め!?最短ルートを教えます!

2017年5月16日

まとめ

認知症 資格 まとめ

認知症に関する資格は、独学で勉強して試験を受けることもできるため、働きながらでも資格の取得が可能です。

すでに医療関係の仕事に就いている方や、今後需要の高まりが予想される認知症ケアに関わる仕事に就いてみたい方は、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

また、ウーモアの姉妹サイト認知症ONLINEでも認知症の資格に関する記事を掲載しております。
ぜひ、そちらもあわせてご覧くださいね!

●認知症の資格一覧!合格率、特徴、メリットを徹底比較

参考サイト

厚生労働省「みんなのメンタルヘルス 認知症」(2017年5月15日,http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html)
内閣府「高齢者の健康・福祉 平成28年版高齢社会白書(概要版)」(2017年5月15日,http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_2_3.html)
資格取得キャリアカレッジ「認知症ケア指導管理士(初級)認定試験」(2017年5月15日,http://www.ss-cc.jp/shiken/ninchi.html)
日本認知症ケア専門士 公式サイト(2017年5月15日,http://184.73.219.23/d_care/senmonsi/Ssenmonsi.htm)
日本認知症コミュニケーション協議会(2017年5月15日,http://www.jadecc.jp/)

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