お腹の子どもに絵本を読み聞かせたり、歌を歌ってあげたりすることで出産前から両親と子の間でコミュニケーションを図ろうとする胎教が注目を集めています。そんな胎教に関する資格があることをご存じでしょうか。
今回は胎教とは何かについて触れるとともに、日本胎教協会が認定する資格胎教アドバイザーの概要や取得方法についてご紹介します。
目次
そもそも胎教とは?
胎教とは前述の通り「お腹にいる子どもと両親の間で図るコミュニケーション」のことをいいますが、ほかにも「胎児によい影響を与える行動や心理」全般を指します。いずれも「胎児のことを思った両親の行動・心理やコミュニケーション」であるという点は変わりません。
胎教にはお腹にいる子どもだけでなく、両親にもよい影響を与えるといわれており、胎教を推奨する産婦人科も少なくありません。ここでは胎教の具体的な内容やそのメリット、胎児や両親に与える影響などについてご紹介します。
胎教の具体的な内容
胎教にはさまざまな方法がありますが、代表的なものとして以下があげられます。
優しい声で話しかける
音楽を聞かせてあげる
絵本の読み聞かせ
お腹を優しくなでる
妊婦が穏やかな気持ちで過ごす
そのほかにも、すでに名前をつけている場合は名前を呼んであげる、胎児がお腹を蹴ったときに軽く叩き返してあげるなどの行動も、胎教のひとつとされています。いずれにしても、胎児のことを思って行うこと、そして妊婦がリラックスして行うことが大切だといわれていますので、周囲が環境を整えてあげることも必要です。
胎教のメリットや胎児・両親に与える影響
一般的に考えられている胎教のメリットには、主に以下などがあげられます。
妊婦の気持ちが穏やかになる
子どもの情緒安定につながる
コミュニケーション能力の発達につながる
夜泣きが少なくなる
いずれも科学的根拠はありませんが、胎教を行った子どもにはこうしたよい影響があるのではといわれています。
また胎教には、妊婦の気持ちをリラックスさせたり、両親と子どものつながりを強く感じさせたりする効果もあります。妊娠すると、さまざまなことに敏感になったり、ちょっとしたことにイライラしたりする人も多いもの。ストレスがかかりやすい妊娠中の生活を心穏やかに過ごせる環境を整えるという意味でも、胎教にはよい果があるのではないでしょうか。
胎教アドバイザーとは?
胎教の普及、そして胎児とどのように関わっていくのがいいかなどを世に広めるためにつくられたのが胎教アドバイザーです。日本胎教協会が認定している資格で、胎教を専門とした資格としては国内初となります(2017年6月時点、日本胎教協会HPより)。
資格取得者は全国各地におり、看護師や助産師、保育士や先生などの資格を持っている方が多く取得されているようです。 もちろんこれらの職以外の方や、ご自身または周りの妊婦さんのために知識を得たいという方でも取得可能ですので、興味のある方は一度チェックしてみては。
胎教アドバイザー講座で学べること
胎教の歴史や先人たちの知恵などとともに、現代の社会問題や脳科学などを考慮した学習構成になっており、さまざまな視点から胎教についての知識を得ることが可能です。
胎教アドバイザーのプログラムは以下8科目に分かれており、知識だけでなく実践的な内容についても学ぶことができます。
- 胎教アドバイザー プログラム
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□ 概論(基礎)
□ 家族のきずなづくり
□ 妊娠と出産
□ 胎教と産後
□ 保健
□ イメージ法
□ 実習
□ Q&A集
これらは女性だけでなく男性の視点からも学べるような講座内容となっているので、これから父親になる方はもちろん、仕事で胎教の知識を生かしたい人にもオススメです。
胎教アドバイザー資格取得のメリット
妊娠中または周りに妊婦さんがいる場合、胎教の知識をマタニティライフや子育てに活かすことができ、より幸せで楽しい生活を送ることができるお手伝いができるようになります。
また妊娠や子育てに関する職に就いている方の場合、胎教アドバイザーの知識を仕事に活かすことで、いま提供しているサービスの充実を図ることができるでしょう。胎教アドバイザーとしてセミナーや教室を開講することもできるため、妊婦さんや子育てのための新しいサービス開発などを図ることも可能に。活動の間口を広げるきっかけをつかめるかもしれません。
胎教アドバイザーになるには
さまざまなメリットがある胎教アドバイザーの資格。取得するための費用や具体的な講座内容などについてまとめました。
- 資格概要
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□ 受講条件:
1.助産・医療・保育・福祉・教育・栄養・カウンセラー・こども関連の資格・免許を有する方、または妊婦さん、赤ちゃん、こどもと関わる方
2.胎教を専門的に学びたい
□ 受講費用:
通学 184,000円(税込)
※再受講の場合12,000円が別途必要
※通学から通信への切り替えの場合は46,000円が別途必要
通信 138,000円(税額表示なし)
□ 試験料:8,000円
□ 取得後の認定登録料:
1年目 5,000円
更新 3年ごとに3,000円
□ 受講期間:
通学 12時間
通信 1年
□ 取得できる資格名:胎教アドバイザー
胎教アドバイザー資格取得の流れ
まずは胎教アドバイザー講座を受講し、課題を提出します。課題は前半後半の8科目に分かれており、これらを修了することで資格取得試験を受けることができます。
試験は90分あり、受講8科目のなかから出題されます。
◎ テキスト8科目
・ 概論
・ 家族の絆づくり
・ 妊娠と出産
・ 胎教と産後
・ 保健
・ イメージ法TM
・ 実習
・ Q&A集
◆引用元:日本胎教協会®「胎教アドバイザー®資格取得 講座」
試験に合格後は資格者登録申請を行うことで、晴れて「胎教アドバイザー」として活動することができます。胎教アドバイザーを名乗る必要がない場合は、講座の受講・修了・受験だけでも可能です。
2017年6月9日現在、通学講座は東京と京都の2ヶ所で行われています。最寄りに開催場所がある場合は受講してみては。
まとめ
妊娠中をどのように過ごすかは、胎児の健康や精神面に関わるだけでなく、子育てにも大きな影響を与えます。胎教とは、胎児、そして両親がこれからの人生をともに心安らかに生きていくための、はじめての共同作業ともいえるのでは。
また胎教に関する知見を広げられる胎教アドバイザーは、子どもに関わる仕事にも役立つ知識も多数含まれています。胎児や妊婦さんのためにもっと何かしたいと思っている方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
胎教アドバイザーに興味を持った方には、ウーモアに掲載中の産前産後ケアに関する資格講座もオススメです。
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気になる方はぜひ、お気軽にウーモア編集部までお問い合わせくださいね。
産前産後ケアに関する情報をもっと知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
参考サイト
福岡産婦人科情報館「妊娠中の食事や運動、胎教」(2017年6月9日,http://www.f-fujinka.com/pregnancy/life.html)
京都市日本保育協会「胎教」(2017年6月9日,http://happy-kids.jp/maternity/care.php)
日本胎教協会®「資格取得 講座」(2017年6月9日,http://taikyo-jp.net/taikyo.html)