介護は今、最も人材が不足している業界のひとつといっても過言ではありません。
少子高齢化が進む中、介護が必要な人の数は増える一方で、少子化により労働人口が減っていきます。
この先も介護人材の需要は高まっていくと予想されます。つまり、介護業界の仕事は将来さらにニーズが高まる可能性があるといえます。
介護業界で働くためにはいくつかの資格を取得する必要があります。
まずはファーストステップである「介護職員初任者研修」の資格取得までの期間や費用について講座を比較しました。
まずは「介護職員初任者研修」を取得しよう
介護業界で働くことを目指すならば、「介護職員初任者研修」の取得から始めることがオススメです。
「介護職員初任者研修」とは?
「介護職員初任者研修」は介護業界でキャリアアップを目指すのであれば、最初に取得しておきたい入門資格です。
2013年から新しく介護の資格制度が改訂され、以前存在していた「ホームヘルパー2級」に相当する資格として「介護職員初任者研修」が誕生しました。改訂に伴いカリキュラムの内容も変わりました。
介護職員初任者研修のカリキュラムは以下の通りです。
科目 | 時間数 |
---|---|
職務の理解 | 6時間 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
介護の基本 | 6時間 |
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
老化の理解 | 6時間 |
認知症の理解 | 6時間 |
障害の理解 | 3時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
振り返り | 4時間 |
合計 | 130時間 |
上記130時間の研修と修了後の試験に合格することで、介護職員初任者研修の資格を取得することができます。
130時間の研修のうち約40時間は自宅学習、つまり通信で学ぶことができます。
残りの約90時間は実技を身につけるため、実際にスクールに通学することが規定上定められています。
また、介護職員初任者研修の年齢制限・学歴などはとくに設けられていません。介護未経験者であっても15歳以上であれば受講することができます。
介護職員初任者研修が通学・通信で学べる講座はこちらから!
「介護職員初任者研修」の資格を取得すると何ができるの?
最近では介護関係の求人に「介護職員初任者研修取得者」という応募条件が加えられている求人が増えてきています。
これは、介護職員初任者研修では介護従事者としての基本的な知識・技術・福祉の考え方などを身につけられるため、採用側は介護業務を安心して任せられるからです。
就職先としては、在宅系の場合、訪問介護事業所でヘルパーなどがあげられます。
施設で働く場合は、デイサービス・老人ホーム・グループホームなどの選択肢があります。
また給与面での待遇が、介護職員初任者研修の資格の有無によって異なることもあります。
さらに、介護職員初任者研修修了後は次のステップである「実務者研修」を受け、次のステップである「実務者研修」を受け、さらに国家資格の「介護福祉士」を目指すことができます。
介護福祉士の資格を取得するとさらなるキャリアアップ、給与条件ももちろん変わってきます。
給付金制度を利用すればお得に!
実は「一般教育訓練給付制度」を利用すれば、介護職員初任者研修の受講料の20%を国から給付してもらうことができます。
この制度は労働者の雇用の安定を図るためにつくられた制度です。
厚生労働省が指定する講座を受講した場合、ハローワークから一部の費用が給付されます。
そして介護職員初任者研修も厚生労働省によって指定された講座のひとつです。
ただし、一般教育訓練給付制度の対象者に該当するかどうかは条件があるため、最寄りのハローワークで確認するようにしましょう。
「介護職員初任者研修」講座を比較!最短ルート派?働きながら週末派?
介護職員初任者研修を取得する場合、カリキュラムは共通していますが、習得スタイル・期間・費用はスクールによってさまざまです。
前述した通り、介護職員初任者研修はカリキュラム上、通信のみでは取得することができません。
通学の必要があるため、ここでは地域限定で開校しているスクールではなく、広範囲で展開している介護スクールを取り上げました。
三幸福祉カレッジ
三幸福祉カレッジでは受講者のライフスタイルに合わせて豊富なコースが用意されています。スクールは全国にあります。
- 介護職員初任者研修
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□ 受講費用:地域によって価格が異なります。東京都の場合、65,000円(教材費込・税別)
□ 受講期間:「1ヶ月短期集中コース」「3~4ヶ月コース」
(土日・平日・日曜・夜間から生活スタイルに合わせて選ぶことができます)
□ 学習スタイル:通学+通信(通信のみはありません。通学と自宅学習を組み合わせて学びます)
ニチイ
ニチイは全国約1,400箇所で介護事業を展開している大手介護スクールです。現場経験を豊富にもつ講師から学べることと、修了後には自分の適性や条件にあった仕事探しをするための就職相談を受けられることが特徴です。スクールは全国にあります。
- 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
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□ 受講費用:110,000円(税別)
紹介割引や学生割引そのほか期間限定キャンペーンなどの各種割引制度があります。
□ 受講期間:4ヶ月程度(平日・夜間・土日祝などから選ぶことができます)
□ 学習スタイル:通学+通信
ベネッセ介護セミナー
ベネッセは教育機関として有名ですが、介護事業も展開しています。「介護職員初任者研修」取得後、ベネッセが運営するベネッセスタイルケアに入社した場合は、受講費用の全額がキャッシュバックされます。スクールは東京・神奈川・大阪・兵庫にあります。
- ベネッセ介護職員初任者研修
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□ 受講費用:59,720円(教材費込・税込)東京・神奈川の場合です。
大阪・兵庫は54,000円(税込)です。
□ 受講期間:東京の場合、「1.5ヶ月コース」平日週3日 「2ヶ月コース」土日週2日 などが用意されています。
□ 学習スタイル:通学+通信
未来ケアカレッジ
未来ケアカレッジは介護資格取得の専門スクールです。資格取得だけではなく、スキルアップや就職支援などのサポートも行っています。
さらに無料で福祉施設・事業所を見学できるサービスも行っています。
関東エリア・東海エリア・関西エリア・九州エリアに分かれており、料金・期間などはそれぞれ異なります。
- 介護職員初任者研修 関東エリアの場合
-
□ 受講費用:79,000円(教材費込・税別)
期間限定キャンペーンなどの割引があります。その場合、コースによって価格がかわってきます。
□ 受講期間:土日コース(約4ヶ月)、平日コース(約3.5ヶ月)、最短コース(約1.5ヶ月)
□ 学習スタイル:通学+通信
スクールによってそれぞれ特徴があるので、自分に合った所を選ぶようにしましょう。
コースについては「まずはすぐに資格を取得したい」という方は短期集中コースを、「働きながら取得したい」という方は週末コースあるいは夜間コースを選択することをオススメします。
介護資格記事一覧
介護資格については、こちらの記事にまとめています。
まとめ
これからも需要が伸び続ける介護人材。今のうちに資格を取得してステップアップをしていくことで将来の仕事の選択肢が増えるでしょう。
とくに、介護職員初任者研修はほかの介護資格よりも難易度が比較的低く、誰もが挑戦できる資格です。通信で受講が可能な部分もあるので、忙しい方でも無理なく取得できるのではないでしょうか。
現在介護業界で働いている方、介護に興味のある方、家族の介護をしている方などはぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
参考サイト
三幸福祉カレッジ「介護職員初任者研修資格」(2017年6月19日,https://www.sanko-fukushi.com/course/shoninsha/)
ニチイ まなびネット「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」(2017年6月19日,http://www.e-nichii.net/course/shoninsha/)
有料老人ホーム・在宅介護のことならベネッセスタイルケア「ベネッセ介護職員初任者研修」(2017年6月19日,http://shikaku.benesse-style-care.co.jp/hh2guide/)
厚生労働省「教育訓練給付制度について」(2017年6月19日,http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/career_formation/kyouiku/index.html)