食育はなぜ大事?どんな目的があって推奨されているの?

食育の目的って何? なぜ子どもにとって大事なのか 今日から食育を実践しよう!

子どもの食に気を使い、「食育」を大切な教育の一環としてとらえる人が増えつつあるといいます。
保育所や学校などの教育機関でも「食育」への取り組みが重視されていることをご存じでしょうか。

では、食育のどのような点が子どもの教育や発育にとって大事なこととされているのか?
子育てにどのように活かせばいいのか

そんな疑問をお持ちの方々のために、今回は食育の目的や教育的意義について解説しましょう!

食育のメリット

メリット

「食育」とは、一言で表すならば「健全な食生活を実践できるようにする教育」のことを指します。
では、「健全な食生活を実践する」ことが子どもの教育や発育にどのように作用するのでしょうか。

食育を実践しないと子どもにこんな悪影響が!?

成長過程にある子どものころというのは、味覚の発達期間。
そんな時期にもし、ジャンクフードや、高カロリーな食べ物。添加物の多い食品や、栄養の偏った食事を摂り続けると、どうなってしまうのでしょうか。

なんと、偏った食事に慣れた味覚ができあがってしまうらしいのです。

そのまま成長してしまうと、栄養バランスの整った食事をおいしくないと感じたり、健全な食生活に味覚が順応できなくなったりしてしまう可能性があるといいます。
もちろん、子どものうちから肥満になってしまうことも考えられるでしょう。

偏った食事を子どものうちから続けると、その子の生涯の健康のそもそもの土台が崩れたものになってしまうかも・・・。

また、体の基礎が作られ、成長途中にある子どもたちが乱れた食生活をすることは、性格や態度、行動にも悪影響を与えるといいます。
無気力、孤独感の増長、協調性の欠如、キレやすくなる・・・。

添加物や農薬などの化学物質が原因で、興奮しやすく、衝動的な行動を取る人に育ってしまうことも考えられるようです。

食育を実践することによるメリットとは?

食育を実践するメリットとして、以下のことがあげられます。

学力、体力が高くなる!?

偏りのない食事、きちんとした食生活を送ると、集中力作業能力学習能力が高い子に成長するといわれています。

それらの力を養うのにとくに効果的な手段は、朝食を摂ることだとされています。

というのも、人は寝ている間に人間の筋肉や臓器のエネルギーとして使われるブドウ糖を消費します。
その消費されたエネルギーが、朝食を摂ることによって補給されることが、子どもの学力や体力アップに繋がっているというのです。

ある研究によれば、朝食を食べない子どもよりも、食べている子どもの方が体力や学力が高いという結果も出ているそうです。

免疫力がつく

添加物、農薬などの化学物質が含まれた食品を摂取し続けていると、人の体内にはそれらの物質が蓄積されていきます。

その結果、何が起こるのか。
実は、アトピーやアレルギーを発症してしまう原因になりかねないらしいのです。

また、偏った食生活を送ると体の免疫力も落ちるうえに、栄養失調にも繋がります。
アトピーやアレルギー、さまざまな病気に負けない体を作るには、免疫力が必要です。

そのような病気に対抗できる免疫力や体質が備わった体を作り、病気を予防緩和するためにも、食育は大切な教育だといえるでしょう。

情緒が育つ

食育は、情操教育的な一面も持つ教育活動ともいえるでしょう。

誰かと一緒に食事をし、「おいしいね」と微笑みあう。
食事という場において誰かと心を交わすことによって、情緒の成長や安定性を身に着けることも食育の目的のひとつです。

また、将来大人になった時に恥をかかないよう、食事のマナーを正しく教えること。
伝統的な食文化を伝えていくこと。
“食”に感謝の気持ちをもつことを教えることも、食育の一環です。

食育の実践は、子どもの健全な精神の育成にも大いに役立つといえるのです。

キッズ食育マスタートレーナーの増田陽子さんは、食育について、またキッズ食育マスタートレーナーの活動について、以下のように語っています。

自分の身体は、自分が食べたものがつくっている。
幼いうちから正しい食生活と知識を自然と身につけることで、元気でいられる未来をつくることができる子を一人でも増やしたいと思い、現在東京・板橋にて青空キッチンを開講、幼稚園へ食育レッスン講師、企業さまとコラボしての食育イベントや大人向け食育講座、親子料理イベントなどを行なっています。(略)
毎日メニューを考えて、ごはんを作るのは大変。でも、ごはんを作ってこどもと一緒に季節を感じながら食べること、生活することを楽しみたい、そんな気持ちの一助になるようなレシピを提案していきたいと思っています。
◆引用元:子どもの食育Labo「増田 陽子 キッズ食育マスタートレーナー」

教育的な意義

教育

子どもに「食育」という教育を施す。
そのことが、なぜそれほどまでに教育的に重要なことだといわれているのでしょうか?

平成17年、政府は「食育基本法」を制定しました。
「食育基本法」とは、子どもたちが将来にわたって健康に生活していくための正しい食の知識と食習慣を身に着けさせるための取り組みを総合的に、また計画的に推進するための法律です。

その後、平成18年になってから制定された「食育推進基本計画」には、「子どもの健全な食生活と豊かな人間形成を図る」という計画が記されています。

学校などの教育機関でも、もちろん食育の実現性を推進していくことは求められているといいます。

給食を教育的な意義から見直すこと。
栄養教諭を配置すること。
総合学習的な時間を使って食の重要性を指導することなどによって、学校の教育全体の一環として食育を充分に実施していくことが推奨されているのです。

なぜ政府は「食育」を推進するの?

以上の法律や計画の立案など、食育に関する動きが国内で起こったことの背景には、やはり日本人の食生活が欧米式の食生活が輸入されたことや、ライフスタイルが多様化したことなどによって、大きく変化してきたことが考えられるでしょう。

栄養バランスが乱れた、不規則な食生活をする人たち。
正しい食に関する知識を持たない人、肥満や生活習慣病を抱える人の増加。
または、行き過ぎた痩身志向の流行。

食の安全上の問題に関する事件や問題なども目にすることが増えました。
伝統的な食文化の喪失という文化的な要素も、食育推進の一因であるようです。

食育はなぜ子どもにとって重要なのか?

文部科学省が「食育」を子どもにとって重要な教育指針だとして定義したのは、平成18年の中央教育審議会中のことでした。

この審議会の中の『審議経過報告』には、詳しく、そして端的に、食育の概念と教育的位置づけが書かれています。
以下に、引用しましょう。

食育については、食事の重要性、喜びや楽しさ、心身の成長や健康の保持・増進の上で望ましい栄養や食事の摂り方を理解し自己管理していく能力、正しい知識・情報に基づいて食品の品質及び安全性等について自ら判断できる能力、食物を大事にし、食物の生産等にかかわる人々へ感謝する心、食生活のマナーや食事を通じた人間関係形成能力各地域の産物、食文化や食にかかわる歴史等を理解し、尊重する心などを総合的にはぐくむという観点から、食に関する指導を行うことを「食育」としてとらえ、推進することが必要である。
◆引用元:文部科学省「中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会審議経過報告」

この引用からわかるように、「食育」はその根底が行政や法によって正式に認定されています。

推進される理由も納得できるような、立派な教育的活動ととらえられるのではないでしょうか。

保育士や幼稚園教諭は、食育知識は必須!?

食育知識
保育所は、子どもたちと一緒に食事をする場面が多い場所です。
そのため、保育士や幼稚園教諭は食育についての知識や情報を知っておくことが期待されます。

厚生労働省が記した「保育所保育指針」では、「食育の推進」という項目が設けられているため、子どもと関わる仕事をしている方にとって、食育について知っておくことは重要なことだといえるでしょう。

また、食育について知っていることで、アレルギーに対する知識も増えるなど、子どもたちへの指導の幅が広がることも期待できるといえます。

なぜ、保育の現場では「食育」が必要なの?

保育所では、お昼ごはんやおやつの時間も設けられていますよね。
子どもに食事を提供する場であるからこそ、保育の現場では正しい“食”の知識をもって子どもたちと接することが求められるといえるでしょう。

厚生労働省の「保育所保育指針」では、保育所で行われる食育の目的を「食を営む力」を育成することと、その基礎を築くことに設定しています。

具体的にいうと、たとえば毎日の生活や遊びの場で、子どもが意欲的に“食”に関する体験を積み重ね、食事を楽しめるようになること。

乳幼児の時期から適切な食生活が送れるような食育の指導案を計画すること。

保育所内に栄養士が配置されている場合は、体調不良や食物アレルギー、障がいのある子どもの心身不調に専門性を活かした対応を心がけ、職員を始めとして地域社会とも連携していくこと。

以上のような内容が、保育所内で必要とされている食育活動であるといわれています。

家庭内で食育を実践しよう!

家庭

さて、ここまでは学校や保育所などでの食育活動にフォーカスしてきましたが、食育はもちろん家庭でも実践できます

家庭でできる食育活動

以下が、家庭でも実践できる食育活動です。

ご飯を一緒に食べる

基本的なことのようですが、家族と一緒に食卓を囲み、ご飯を食べることは子どもにとって一種の情操教育でもあります。

食卓は家族の会話の糸口にもなりますし、お母さんとお父さんなど、大人同士が会話を交わす様子も見られるため、コミュニケーションを学ぶ場にもなりえます。

一緒に食材を買いに行く

一緒にその日の夕飯の買い物に行くことで、いつも家で食べている食事の材料が何なのか。
その料理はどんな食材から成り立っているのか。
その食材は体によいものなのか?

など、一緒に食材を見ることで、子どもたちの“食”への興味を促進することが期待できます。

一緒に料理をする

野菜を切る、ちぎる、調味料を混ぜる、味見をしてみる、保護者の目の下で火を使ってみる・・・。
このように、実際に家庭での料理を体験することで、料理を作る楽しさや、料理が食卓に並ぶまでの行程を学ぶことができるでしょう。

食事をするまでの気分を盛り上げたり、好き嫌いや食べ残しが減るという効果もあるようです。

食事のマナーを教える

家族から食事のマナーや行儀作法を教えてもらうことは子どもにとって非常に大切なことです。

食べる前には「いただきます」、「ごちそうさま」をいう習慣をつける。
正しいお箸の持ち方を覚えさせる。
くちゃくちゃ音を立ててものを食べないことや、立て膝をつきながら食べるのはマナー違反であることなど、食事のマナーは家庭内からぜひ教えていきましょう。

家庭内における食育の実践のメリット

子どもが愛情を受け、学び、育つ場所はなんといっても家庭でしょう。
とくに、家族の愛情があふれる「食卓」を提供することや、食べるという行為が楽しいものであることを教えることは、人に対する思いやりの心が育まれていくこと。
そして、社会的なマナーの体得など心身の成長人格の形成面に大きな影響を与えるといいます。

また、食育を家庭で実践することによって、保護者自身も“食”に関して注意深くなります。

健康的な食生活や、栄養バランスの整った料理を作り、摂取することの重要性を、子どもへの教育を通じて、自分自身にフィードバックさせることができるのです。

そして忘れてはならないのは、保育所や学校などの、家庭以外の場所だけでの食育の実践のみでは、「すべての子どもに豊かな食の体験の場を提供することはできない」ということです。

子どもが生まれ、育つ場所はなんといっても家庭です。
「豊かな食の体験の場」の実現と、心身の成長、人格形成は、家庭を通じた食育の実践があってこそ、なされるのではないでしょうか。

その他の幼児・子ども向け食育資格

食育資格は、目的・学べる範囲などによってたくさんの資格があります。
幼児食についても興味がある方はこちらの記事もぜひご覧ください。

幼児食とはどんな食事?離乳食から移るのに適した時期は?

2018.07.31

まとめ

まとめ
子どもの教育にとってなぜ「食育」が大切だといわれているのか、子育てや保育にどう活かせばよいのかみてきました。

子どもの成長は、人間の成長でもあります。
ひとりの人間が形成されていく過程において、“食”がいかに大切で、よくも悪くも影響を及ぼすものなのか、お分かりになったのではないでしょうか。

自分にできる範囲の、簡単なことでも構いません。ぜひ、今日からでもお子様と一緒に「食育」を楽しんでみましょう。

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参考

『保育士になろう!』(中野悠人,青弓社,2014年)
奈良県立教育研究所「食育を通した家庭教育の在り方について」(2017年9月25日, http://www.nps.ed.jp/nara-c/gakushi/kiyou/h20/d
ata/A/A-12.pdf)
『保育所食育実践集Ⅴ ─ 保育所における食育に関する調査研究報告書 ─』(2017年9月25日,http://www.nippo.or.jp/research/pdfs/2010_05/2010_05_03.pdf)
農林水産省「食育基本法」(2017年9月25日,http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/pdf/kihonho_28.pdf)
日本保育協会「第2部 家庭での食育支援をどうするか」(2017年9月25日, http://www.nippo.or.jp/research/pdfs/2010_05/2010_05_03.pdf)
北海道教育委員会「第1章 学校における食育の推進の基本的な考え方」(2017年9月25日,http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ktk/grp/03/syokuiku_03.pdf)
農林水産省「食育の推進」(2017年9月25日, http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/)

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